201#売主は本当の所有者なのか?登記された所有権などの権利の種類・内容・名義人などを確認する。

不動産売買取引アドバイザー 不動産売買取引を知る
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「土地や建物を買いたい」、「この物件は良さそうだ」、という場合、最初に確認したいのが、その物件の所有権などや抵当権など買った以降に障害となる権利があるかどうかを確認することです。
ご自身で調べるのも大変です。宅地建物取引業者に売買の仲介を依頼しているときは、重要事項ですので、宅建業者に確認してから進めて下さい。

確認すべき事項と確認方法

①物件の登記簿上の所有権者はだれか?
②所有権以外の権利で登記されているものがあるか?
あれば、どのような種類の権利か?
その権利者はだれか?

これらを確認するためには、物件所在地を管轄する登記所で土地や建物の履歴事項証明書(古い言い方をすれば、登記簿謄本です。)を入手します。

登記所は、法務局・地方法務局やその出張所のことです。現在は最寄りの登記所に行けば管轄外でも履歴事項証明書を請求し、受け取ることが可能です。)

ただし、その物件の住居表示ではなく、地番で物件を特定していますので、地番で請求しなければなりません。管轄の登記所には、住居表示と地番の対照表が置かれています。住居表示しかわからないときは、管轄の登記所に行く必要があります。

なぜ、所有権などの権利関係を確認する必要があるのか?

売買契約の当事者である売主が、本当の所有者であるのかを確認するためです。

売主が、履歴事項証明書(登記簿)上の所有者でない場合は、どのような権限に基づいて売主となるのかについて確認できることもあります。

所有権以外の権利で登記されているものには、抵当権(根抵当権)、仮登記、買戻権というものがあります。

抵当権(根抵当権)は、この物件を担保にして設定されているものです。

買主であるあなたがこの物件を購入したときには、前所有者などが債務者となっている抵当権(根抵当権)は、抹消されることが購入条件となります。

仮登記は、仮登記自体は対抗力をもたないのですが、後に本登記されれば、本登記の順位は、仮登記の順位により定まることとなります。

買戻権は、売買契約と同時に、売る主が買主に対して10年以内において契約を解除して物件を買い戻すことを特約するもので、この登記があれば、第三者への対抗力が生じます。

※言葉の意味:
・「対抗力」というのは、権利者が権利の主張を”第三者”にできるということです。つまり、たとえば、所有権の登記があれば所有者としての権利である所有権を”第三者”に対して主張できます。ところが、所有権の登記がなければ所有者としての権利である所有権を”第三者”に対して主張できないということです。
・「第三者」というのは、当事者以外の人のことです。つまり、売買のときは売主と買主以外の人、貸借のときは貸主と借主以外の人、抵当権(根抵当権)のときは債権者(抵当権者)と債務者以外の人などのことです。

登記の意味

不動産の登記には、むつかしく言いますと「公信力(こうしんりょく)」がないといい、第三者に対する対抗力があるのみです。

ここで注意することとして、所有権などの登記名義人であるからといって、それを信用して取引をしても、真の所有者が別にいて買主が損害を被ることがあるということです。

したがって、履歴事項証明書(登記簿)を調べることのみでは、十分ではないということになります。現地で確認したりすることも場合によっては必要かもしれません。

登記名義人(登記簿の表題部に記録された所有者)の氏名

履歴事項証明(登記簿)には、三つ部があります。
表題部(表示の登記)、権利部(甲区・所有権に関する事項)、権利部(乙区・所有権以外の権利に関する事項)です。

まれにですが、表題部(表示の登記)しかないときがあります。
表題部しかないときは、表題部に所有者として記録されている所有者の氏名を確認して下さい。

しかし、この場合、これだけでは不十分ですので、現地で確認したりすることも必要かもしれません。

仲介を依頼しているときは、宅地建物取引業者に確認を!

宅地建物取引業者に売買の仲介を依頼しているときは、以上の確認については、契約までの間に宅地建物取引士が重要事項説明として説明しなければならない事項とされています。

ご自身で調べるのも大変です。契約するかどうか検討中であっても、重要事項ですので、宅建業者に確認するようにして下さい。

登記されている内容について、よくわからないというときは、専門家(弁護士・司法書士・仲介を依頼している宅地建物取引業者、宅地建物取引士など)に相談して下さい。


【白神英雄/行政書士・宅地建物取引士・不動産売買取引アドバイザー】
【白神英雄/ココチ不動産㈱エージェント】HP https://cocochi.org/pg3342218.html
ココチ不動産㈱は、お住まいになる土地や建物、お店・会社などの事業用土地や建物などの不動産売買取引の仲介業としてサービス展開。また、リフォーム・リノベーションのご相談もお受けすることができます。施工は、協力会社にて行います。
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