30203「第三者の詐欺(さぎ)による意思表示/意思表示」行政書士試験の民法

 民法チェック
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このブログは、行政書士試験の過去問題から民法の重要事項をピックアップし、問題文の出題意図を、いかに見つけ出すのかをメインに解説しています。つまり、いかに「ひっかけ」の部分を見つけ出すか、ということです。重要ポイントとしてチェックしてください。
スマートホンを使えば通勤や通学の時間にチェックすることができます。 条文や判例を中心にそのポイントをおさえてください。

「第三者の詐欺(さぎ)による意思表示」

【ひっかけは?】

(正)AがBに対してA所有の動産を譲渡する旨の意思表示をした場合、この動産が骨董品であり、Aが、鑑定人の故意に行った虚偽の鑑定結果に騙された結果、Bに対して時価よりも相当程度安価で当該動産を譲渡するという意思表示をした場合、【Bがこの事情を知っていた場合、または、知ることができた場合に限り】、Aは当該意思表示を取り消すことが【できる】。

《ひかっけはここ!》

(誤)”AがBに対してA所有の動産を譲渡する旨の意思表示をした場合、この動産が骨董品であり、Aが、鑑定人の故意に行った虚偽の鑑定結果に騙された結果、Bに対して時価よりも相当程度安価で当該動産を譲渡するという意思表示をした場合、Bがこの事情を知っているか否かにかかわらず、Aは当該意思表示を取り消すことができない。”(過去問より引用)

【解説】

・Aは、相手方Bに、第三者である鑑定人の詐欺によって、Bに動産を譲渡する旨の意思表示をした場合、相手方Bがその事実を知っていた場合(悪意)または、知ることができた場合(過失)に限り、Aはその意思表示を取り消すことができる、ことになります。

・これを「第三者の詐欺(さぎ)による意思表示」(民法96条2項)といいます。

(売主)  (相手方・買主)
 A ←譲渡契約→ B
 ↑
〈詐欺〉
 ↑
 第三者

・相手方Bが、第三者の詐欺について悪意or過失ならば、Aは譲渡契約を取消できる

・「相手方Bがこの事情を知っているか否かにかかわらず」、ということではありません。

【条文】

(詐欺又は強迫)
民法96条1項 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2項 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。


【白神英雄/行政書士・行政書士試験アドバイザー】

参考文献・引用:民法(全)第3版/潮見佳男著(有斐閣)・法律学小辞典第5版(有斐閣)・判例六法(有斐閣)・ポケット六法(有斐閣)・過去問題

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※この「民法(全)」は、民法全般について、簡潔に記述されています。行政書士試験受験者には、資格試験向けのテキストを読まれている方が多いと思いますが、併せてこの「民法(全)」をお読みいただくと法律の勉強をしているのだと実感できるものと思います。私もこのブログを書くにあたり、おおいにこのテキストを活用しています。

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