行政書士試験の憲法チェック「憲法が定める身分保障に関する事項」

 憲法チェック
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行政書士試験の過去問題から憲法「憲法が定める身分保障に関する事項」の重要問題をピックアップしています。重要ポイントとしてチェックしてください。
スマートホンを使えば通勤や通学の時間にチェックすることができます。
過去問題を見る限りでは、あまり理屈を深く掘り下げた問題はないようです。条文を中心にそのポイントをまずは覚えてください。

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行政書士試験の憲法チェック「憲法が定める身分保障に関する事項」

1.(問題文〇)いわゆる議員特権の一つとして、両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受けるものとされている。

憲法49条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

2.(問題文×)公務員の身分保障の一環として、官吏は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受けるものと定められている

【正しくは】公務員の身分保障の一環として、官吏は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受けるものとは【定められていない】。

※憲法上、このような定めは設けられていない。

3.(問題文〇)裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官の任期は10年であり、仮に再任されたとしても、法律の定める年齢に達したときには退官するものとされている。

憲法80条1項 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

4.(問題文〇)裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受け、在任中、これを減額することができないと定められている。

憲法80条2項 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

5.(問題文×)裁判官の身分保障を手続的に確保するため、罷免については国会に設置された弾劾裁判所が、懲戒については独立の懲戒委員会が決定を行う

【正しくは】裁判官の身分保障を手続的に確保するため、罷免については国会に設置された弾劾裁判所が決定を行い、懲戒については【裁判官分限法による裁判によって行われる】。

※懲戒について独立の懲戒委員会が決定を行うのではない。

憲法64条1項 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
憲法78条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
裁判所法49条 裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位を辱める行状があつたときは、別に法律(※裁判官分限法)で定めるところにより裁判によつて懲戒される。

6.(問題文×)裁判官の懲戒の内容は、職務停止、減給、戒告または過料とされている。

【正しくは】裁判官の懲戒の内容は、【】戒告または【1万以下】の過料とされている。

※職務停止、減給はない。

裁判官分限法2条 裁判官の懲戒は、戒告又は一万円以下の過料とする。

7.(問題文〇)司法権を行使する裁判官に対する政治運動禁止の要請は、一般職の国家公務員に対する政治的行為禁止の要請よりも強い。

裁判所法52条 裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。
裁判所法52条1号 国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。

最高裁判所大法廷決定平成10.12.1

8.(問題文×)政治運動を理由とした懲戒が憲法21条に違反するか否かは、当該政治運動の目的や効果、裁判官の関わり合いの程度の3点から判断されなければならない。

【正しくは】政治運動を理由とした懲戒が憲法21条に違反するか否かは、【政治運動の禁止の目的の正当性、当該政治運動の目的と禁止の間の合理的関係性、禁止により得られる利益と失われる利益との均衡を失するものであるか否か】の3点から判断されなければならない。

憲法21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

最高裁判所大法廷決定平成10.12.1

9.(問題文×)表現の自由の重要性に鑑みれば、裁判官の品位を辱める行状があったと認定される事例は、著しく品位に反する場合のみに限定されなければならない

【正しくは】表現の自由の重要性に鑑みれば、裁判官の品位を辱める行状があったと認定される事例は、【職務上の行為であると純然たる私的行為であるとを問わず、裁判官に対する国民の信頼を損ねたり、裁判の公正を疑わせるような言動を行った場合である】。

※著しく品位に反する場合のみに限定されなければならない、とはされていない。

裁判所法49条 裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位を辱める行状があつたときは、別に法律(※裁判官分限法)で定めるところにより裁判によつて懲戒される。

最高裁判所決定平成30.10.17

復習用-記憶の整理のため、問題文○・正しくは、のみを掲載

1.(問題文〇)いわゆる議員特権の一つとして、両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受けるものとされている。ら相当額の歳費を受ける。

2.【正しくは】公務員の身分保障の一環として、官吏は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受けるものとは定められていない。

3.(問題文〇)裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官の任期は10年であり、仮に再任されたとしても、法律の定める年齢に達したときには退官するものとされている。

4.(問題文〇)裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受け、在任中、これを減額することができないと定められている。

5.【正しくは】裁判官の身分保障を手続的に確保するため、罷免については国会に設置された弾劾裁判所が決定を行い、懲戒については裁判官分限法による裁判によって行われる。

6.【正しくは】裁判官の懲戒の内容は、戒告または1万以下の過料とされている。

7.(問題文〇)司法権を行使する裁判官に対する政治運動禁止の要請は、一般職の国家公務員に対する政治的行為禁止の要請よりも強い。

8.【正しくは】政治運動を理由とした懲戒が憲法21条に違反するか否かは、政治運動の禁止の目的の正当性、当該政治運動の目的と禁止の間の合理的関係性、禁止により得られる利益と失われる利益との均衡を失するものであるか否かの3点から判断されなければならない。

9.【正しくは】表現の自由の重要性に鑑みれば、裁判官の品位を辱める行状があったと認定される事例は、職務上の行為であると純然たる私的行為であるとを問わず、裁判官に対する国民の信頼を損ねたり、裁判の公正を疑わせるような言動を行った場合である。


【白神英雄/行政書士・行政書士試験アドバイザー】
 参考文献:有斐閣「憲法学読本」第3版・判例六法(有斐閣)

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