行政書士試験の憲法チェック「天皇の国事行為」

 憲法チェック
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行政書士試験の過去問題から憲法「天皇の国事行為」の重要問題をピックアップしています。重要ポイントとしてチェックしてください。
スマートホンを使えば通勤や通学の時間にチェックすることができます。
過去問題を見る限りでは、あまり理屈を深く掘り下げた問題はないようです。条文を中心にそのポイントをまずは覚えてください。

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行政書士試験の憲法チェック「天皇の国事行為」

1.(問題文×)内閣総理大臣の指名は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

【正しくは】内閣総理大臣の【任命】は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

※天皇の国事行為は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命することである。

憲法6条1項 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
憲法67条1項 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

2.(問題文×)憲法改正、法律、政令及び条約の裁可は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

【正しくは】憲法改正、法律、政令及び条約の【公布】は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

※天皇の国事行為は、裁可ではなく公布することである。

憲法7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
憲法7条1号 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

3.(問題文×)国務大臣の任免は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

【正しくは】国務大臣の【任免の認証】は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

※国務大臣の任免は、内閣総理大臣の権能である。天皇の国事行為は、国務大臣の任免を認証することである。

憲法7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
憲法7条5号 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
憲法68条1項 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
憲法68条2項 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

4.(問題文×)大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の決定は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

【正しくは】大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の【認証】は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

※これらの決定は、内閣の権能である。天皇の国事行為は、認証することである。

憲法7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
憲法7条6号 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
憲法73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
憲法73条7号 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

5.(問題文〇)衆議院の解散は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

※衆議院を解散をすることは、天皇の国事行為であるが、この決定は、内閣の権能であるとされている。

憲法7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
憲法7条3号 衆議院を解散すること。
憲法69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

参考:●衆議院の解散の実質的決定権の所在については諸説あります。
●天皇は、憲法の定める国事行為のみを行い、国政に関する権能を有しない(憲法4条1号)とされ、憲法が定める12項目を国事行為としています(憲法6条1項、2項、7条1号~10号)。
●天皇の国事行為は、形式的・儀礼的なものとされており、実質的な決定は憲法が定める機関が行い、内閣の助言と承認のもとに行われます。(憲法7条本文)

復習用-記憶の整理のため、問題文○・正しくは、のみを掲載

1.【正しくは】内閣総理大臣の任命は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

2.【正しくは】憲法改正、法律、政令及び条約の公布は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

3.【正しくは】国務大臣の任免の認証は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

4.【正しくは】大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。

5.(問題文〇)衆議院の解散は、憲法上、天皇の国事行為として認められている。


【白神英雄/行政書士・行政書士試験アドバイザー】
 参考文献:有斐閣「憲法学読本」第3版・判例六法(有斐閣)

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