行政書士試験の民法チェック「制限行為能力者制度」その3・11~15

 民法チェック
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行政書士試験の過去問題から民法「制限行為能力者制度」の重要問題をピックアップしています。重要ポイントとしてチェックしてください。
スマートホンを使えば通勤や通学の時間にチェックすることができます。 過去問題を見る限りでは、あまり理屈を深く掘り下げた問題はないようです。判例や条文を中心にそのポイントをまずは覚えてください。

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行政書士試験の民法チェック「制限行為能力者制度」その3・11~15

11.(問題文×)家庭裁判所が後見開始の審判をするときには、成年被後見人に成年後見人を付するとともに、成年後見人の事務を監督する成年後見監督人を選任しなければならない

【正しくは】家庭裁判所が後見開始の審判をするときには、成年被後見人に成年後見人を付するとともに、【必要があると認めるときは、】成年後見人の事務を監督する成年後見監督人を【選任することができる】。

民法7条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
民法8条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。
民法843条1項 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
民法849条 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
民法851条 後見監督人の職務は、次のとおりとする。
民法851条1号 後見人の事務を監督すること。2号~4号-略-
12.(問題文×)被保佐人がその保佐人の同意を得なければならない行為は、法に定められている行為に限られ、家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求があったときでも、被保佐人が法に定められている行為以外の行為をする場合にその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることはできない

【正しくは】被保佐人がその保佐人の同意を得なければならない行為は、法に定められている行為に【限られず】、家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求があったときでも、被保佐人が法に定められている行為以外の行為をする場合にその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることが【できる】。

民法13条1項 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為(※日用品の購入その他日常生活に関する行為)については、この限りでない。
1号 元本を領収し、又は利用すること。
2号 借財又は保証をすること。
3号 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
4号 訴訟行為をすること。
5号 贈与、和解又は仲裁合意(-略-)をすること。
6号 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
7号 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
8号 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
9号 第602条に定める期間(※物件の種類により6か月~10年)を超える賃貸借をすること。
10号 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
民法13条2項 家庭裁判所は、第11条本文に規定する者(※本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官)又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項(※民法13条1項各号)に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為(※日用品の購入その他日常生活に関する行為)については、この限りでない。
13.(問題文〇)家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によってその審判をするには、本人の同意がなければならない。

民法876条の4・1項 家庭裁判所は、民法11条本文に規定する者(※本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官)又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
民法876条の42項 本人以外の者の請求によって前項(※民法876条の4・1項)の審判をするには、本人の同意がなければならない。
 

14.(問題文〇)家庭裁判所は、本人や配偶者等の請求により、補助開始の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

民法15条1項 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、-略-。
民法15条2項 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

15.(問題文×)後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消す必要はないが、保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始の審判を取り消さなければならない。

【正しくは】後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を【取り消さなければならない】。保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始の審判を取り消さなければならない。

※①「後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。」

※②「保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。」

※③「補助開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人または被保佐人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始又は保佐開始の審判を取り消さなければならない。」

民法19条1項 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
民法19条2項 前項の規定(※民法19条1項)は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。

復習用-記憶の整理のため、問題文○・正しくは、のみを掲載

11.【正しくは】家庭裁判所が後見開始の審判をするときには、成年被後見人に成年後見人を付するとともに、必要があると認めるときは、成年後見人の事務を監督する成年後見監督人を選任することができる。
12.【正しくは】被保佐人がその保佐人の同意を得なければならない行為は、法に定められている行為に限られず、家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求があったときでも、被保佐人が法に定められている行為以外の行為をする場合にその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
13.(問題文〇)家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によってその審判をするには、本人の同意がなければならない。
14.(問題文〇)家庭裁判所は、本人や配偶者等の請求により、補助開始の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
15.【正しくは】後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消さなければならない。保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始の審判を取り消さなければならない。

【白神英雄/行政書士・行政書士試験アドバイザー】
参考文献:民法(全)第3版潮見佳男著(有斐閣)・判例六法(有斐閣)

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